Lovepiece clubの商品動画を作っている。
ミスティックブルーというバイブから最新のベターザンスィートというバイブまでこれまで3つの紹介動画がアップされている。先日初回に作ったミスティックブルーの動画が10万ビューを越えた。祝!10万ビュー!
商品動画を作る時、私は絵コンテを描かない。カメラをセットして照明をセッティングして私はまず目をつぶり、深く呼吸をする。するとバイブが私に語りかけてくれるのだ。
『私の特徴はこれよ!』
『そうじゃないわよ!私をそのへんのバイブと一緒にしないで!』
『私を誰だと思ってるの?!ミスティックブルーよ!』
バイブは雄弁だ。ミスティックブルーはちょっと変わった形をしていた。プールに飛び込むようなポーズで垂直に立つ手の平サイズのシリコン製のバイブだ。腕の先はドラえもんの手のようにぷっくらと柔らかく丸くなっている。しかし、そのバイブぜんしていない風貌にユーザーは戸惑ったのか、青い妖精ミスティックブルーは静かに倉庫に眠っていた。そんなバイブを生き返らせるのが私の仕事だったのだ。
なぜそんな細く長い腕を持っているのか。スイッチを入れて腕を凝視する。
なぜだ?なぜだ?!なぜだーーー!
全体の半分を占めるその腕のような部分は細く繊細にしなる。しばらくすると、もしやこの腕はクリトリスを挟むとキモチイイのではと思えてくる。胴体のような本体はいつまでも触っていたくなるような上質のシリコンで手になじみ、丸みを帯びた先端からスルッとバイブ全体がヴァギナに入りそうだ。家に帰って試してみる。ビンゴ!
カメラの前で生き生きとバイブするミスティックブルー!私は取り憑かれたようにカメラを回す。バイブは踊り出す。まさにバイブ生きている!
編集作業はバイブのパリコレだ。堂々と私の前のキャットロードを歩くミスティックブルー。自由自在にポーズを決めてバイブする。私はポーズ決める姿を眺めるバイヤーだ。
紹介動画は3分弱のファッションショー。
あぁ?なんて優雅なんだろう。Oh! ミティックブルー?。
脚光を浴び、踊るバイブは再び息を吹き返した。ミティックブルーは人気商品となつった。私がミティックブルーを表現したのではなく、ミティックブルーが私を表現したのだ。漫画『ガラスの仮面』で紅天女の試演で仏師を演じる綾小路くんが、本物の仏師のもとで修行を受けるというシーンがある。その仏師は毎日、仏像になる木を見つめて過ごす。そこで綾小路くんは『なぜ掘らないのか?』と聞く。すると仏師は答える。『仏がまだ現れない・・・時がくれば見えてくる。私は仏を掘り出すだけ・・・』まさにこの境地だ!私がバイブ達をどう見せるか考えるのではなく、バイブが私を導いてくれるのだ!バイブは鎮座する!芸術は爆発だ!
今、カメラの前でバイブが列をなしている。私は今日もバイブとファッションショーを繰り広げる。唯一無二のバイブ、一つとして同じバイブレーションなどない。私が今日、この瞬間に出会う、そのバイブレーションは、二度とない運命の出会い。オーガズムに続く道。奇跡の出会い。Oh!オータムバイブ!
今日もここで一句。(今日は和歌)
秋の夜 同じものなど 二度とない
おーがずむよ それは 地上のきせき
秋の夜 すすきを 見ていて 思ひたつ
あぁ こんなバイブが あったらいいなぁ
おそまつ