ラブピースクラブはフェミニストが運営する日本初のラブグッズストアです。Since 1996

  • TOP
  • 鍬津ころ
  • LPC官能小説第21回「震えてる……まだ、寒い?」と囁く彼に…

LPC官能小説第21回「震えてる……まだ、寒い?」と囁く彼に…

鍬津ころ2018.01.31

Loading...


 その日、首都圏は冷たく輝く真珠を編んだヴェールに覆われたーーー

 なんちゃって。
 とにかく、覚悟はしてたけど、ハンパない降りっぷり。
 昼下がりにはまだ、大粒のベタ雪だったのが、夜になって温度が下がるにつれて、高校時代に行ったガーラ湯沢みたいなパウダースノーに近づいていった。

 輪ゴムを巻くといい、なんて豆知識がSNSに流れていたけど、足首まで埋まる雪道に踏み出すまで、忘れてた。
 なんという、歩きにくさ!

 コートのフードを目深にかぶっているから、視界が悪い。
 軽い雪がタイルに積もって、つるつる滑る。
 私、歩き慣れたはずの駅からアパートまでの道を、足腰の弱ったおばあさんみたいにヨボヨボと進んだ。

 数年前にも、雪かきが必要レベルの雪が降ったっていうのに、私ったら学習能力が低いなあ。
 ため息をつきながら、一歩踏み出した瞬間、
「きゃっ!?」
 気をつけていたはずなのに、建物の軒下に積もった雪に、滑った足先がめり込んだ。
 バランスを崩した私は、とっさに腕を前に伸ばす。
 その先には、木枠のついたガラス窓。その向こうからは、暖かそうな灯りが漏れていた。
 桟にも敷居にも、ふんわりと積もる雪。

 それどころじゃない、ヤバい。
 自分の腕が窓ガラスを突き破り、血まみれになる幻覚が一瞬、見えた。
 ギュッと目を閉じて、私はそのまま、見知らぬ誰かの家の窓ガラスをーーー

 突き破る音も、衝撃もなかった。
 代わりに、
「おおっと! ……大丈夫!?」
 男らしい重さのある、だけど優しそうな声。
 同時に、雪に濡れて強張る腕を、暖かく頼もしい力で、グッと支えられる。
 こ、このひとって、まさか……!?

 これはまさに、万に一つの偶然。
 彼が室内から、雪の様子を確かめようと窓を開けた瞬間に、私が軒下から突っ込んでいった、ということみたい。

 私はそれを、居心地のいいウッディなリビングで聞いていた。
 大きくはないけど洒落た一軒家は、彼の親戚の家なんだって。
 法事で空けている最中の大雪で、建物に被害がないか確認がてら、雪かきをするよう頼まれたそうだ。
 世界的アスリートの彼が、そんなフランクな親戚付き合いをしているなんて、なんだか微笑ましい。

 香り高く甘いココアを出されて、バクバク言っていた私の心臓もようやく落ち着いてきた。
 室内から見る夜の雪は、ファンタジー物語の一場面のように幻想的。
 しかも、私の後ろには、サイズぴったりのざっくりしたセーターに、履き古したデニムという、くつろいだ姿の駆クン。
 これでウットリしなかったら、女じゃないでしょ。

「ケガがなくてよかった」
「ぁ……」
 背後から私の両肩に手を置いて、彼が言った。
 それだけで、背中にキュンと甘い痺れが走って、自意識過剰な声が出ちゃう。彼は、留守を預かる家で、ケガ人を出さなかったことにホッとしているだけなのに。

「……びっくりしたよ。窓を開けた瞬間、ピンクのコート姿の君が、両手を広げて……妖精が飛び込んで来たのかと思った」
「そ、そんな……不注意ですみませ……ッ」
 都合よく錯覚してるだけのはず。
 だけど、彼の囁きは熱っぽくて。厚いてのひらは、愛撫するように私の腕をゆっくりさすって。
 ココアを飲んでいるだけなのに、お酒に酔ったように、身体が火照ってしまう。

「……んあ……っ、ダメ、外から、見えちゃ……うぅんッ!」
 さっき突っ込みかけた窓枠に内側から手をついて、甘い声をあげる私。
 彼の愛撫は、錯覚じゃなかった。
 後ろから覆い被さる彼にバストを揉まれ、熱い肌と、筋肉の重さに耐える私の腕は、ワナワナと震えてしまう。

「震えてる……まだ、寒い?」
 耳に口づけながら囁く彼。
 同時に、カットソーの下に侵入した手が、直に胸を攻める。
「ちがっ、あぁ……あつ、熱いのぉ……」
「ああ、このおマメが熱いんだ?」
 弾力のある太い指先で、敏感な突起をクリクリと嬲られると、目の前に降る雪が、ピンク色に変わっていくみたい。
「じゃあ、こっちのおマメも、熱くしてあげないとね」
 もう片方の手でスカートを捲り、彼がその言葉通りに、ショーツの中のおマメをこする。
「……ひゃうッ!」
 それだけで、私は軽くイっていた。
 幻想的な雪景色に、外から見えてしまうんじゃないかというスリル。
 おまけに、彼の大胆な指が加わったんだから、ひとたまりもなかった。

「あぁ……はぁ……はぁぁ……」
 腕だけじゃなく、腰も震わせながら、私は荒い息をつく。
「あれ? もう、イっちゃったの?」
「だ、ってえ、きもち、よくってぇ……」
「でも、まだまだ足りないよね?」
 彼、言葉と同時に、私のアソコから手を抜いて、窓を開け放ったの!

「……やぁっ!?」
 途端に吹き込む、雪と冷気。
 だけど、火照って潤んだ身体に、その刺激が心地良い。だけど、
「だめ、ダメッ、外から見えちゃうぅ!」
「この雪で、こんな時間に外を歩く人なんかいないって。むしろ、誰かに見てほしいんじゃないの? この、乳首がギンギンにイッてるエッチなおっぱいとか!」

「ひあぁぁ!」
 彼、私のカットソーをブラごとまくり上げて、吹き込む雪に私のバストを晒した。
「あ、つめたっ、あ、あぁん……ッ」
 彼の言う通り、ビンビンにしこったままの乳首に雪片が触れるたび、ピリッとした快感が弾ける。
 この先に、もっともっと大きなエクスタシーが待っていることを、教えてくれる。
「冷たいのが、イイんだろう?」
 彼には全てお見通し。
 私、羞恥心も寒さも忘れて、はしたない声を振り絞る。
「い、いいっ! お、おっぱい、またイっちゃうぅ!」
「ほら、おっぱいだけじゃなくて、こっちも……」

 彼、そう言いながら、窓の外に積もる雪を、右手で掬う。
 雪だか涙だかわからないけれど、目がかすむ。
 白やピンクがチカチカする視界の中を、彼の腕が、ゆっくり動いて……

「あーーーーッッ!」
 ビリビリッ、と、脳天まで強烈な刺激が貫いた。
 胸から離れた手がショーツごとタイツを引き下ろし、剥き出しになったアソコに、てのひら一杯の雪が押しつけたの!
「ああっ、あひィっ、だめ、そんなのぉお……!」
 痺れるような冷たさ。
 なのに、羽のように軽やかで、フワフワした感触。
 降りたての都会の雪が、彼の指と一緒に私のナカに分け入ってくる。

 燃えるように熱い粘膜に、ゴツいけど巧みな指先が、真っ白な悦びの塊を塗り込めていく。
 グチュグチュと掻き回され、前後にこすられながら、
「……はうぅ、んあっ、ク、クる、すっごいのが……」
 腕に力が入らなくて、窓枠に突っ伏した私は、雪の夜の静寂を引き裂くような絶頂の声を、
「クるぅ……うわわわわっ!」

 バササッ!
 次の瞬間、私は軒下に積もった雪に滑って、見知らぬ民家の壁に激突していた。
 その衝撃で、屋根から落ちかけていた雪の塊を、モロに浴びた。
「……ぶはっ、げほっ、ごほっ!」
 口の中まで入ってきた雪を吐き出しながら、壁に手をついて、かろうじて姿勢を保つ。
 もちろんその壁に、窓なんかない。
 奇跡的なタイミングで窓を開ける、頼もしい腕もない。

 見回すと、休みなく降り続く雪の中、家路を急ぐらしい何人かの通行人が、気の毒そうに私を見ていた。
「あ、アハハ……あっぶなかったー!」
 半分ヤケで、私は空元気の独り言。
 まだ少しある家までの道を、どこかにあのファンタジックな窓が見えないかと願いながら、慎重に歩きはじめたの。

Loading...

鍬津ころ(くわつ・ころ)

札幌出身、東京在住。山羊座のO型。アダルト系出版社、編集プロダクション勤務後、フリーの編集者&ライター。2011年『イケない女将修行~板前彼氏の指技vs官能小説家の温泉蜜筆』でネット配信小説デビュー。近著『ラブ・ループ』(徳間文庫)。馬、鹿、ジビエ大好き飲んだくれ系アラフォー女子。タバコの値上がりには500円までつきあう覚悟。 

RANKING人気記事

Follow me!

  • Twitter
  • Facebook
  • instagram

TOP