ラブピースクラブはフェミニストが運営する日本初のラブグッズストアです。Since 1996

Loading...


3月30日はトルコの地方選挙でした。
女性の候補者は全体の6%ほど。欧州議会では女性議員が3割以上いますから、それに比べるととても低いですね。日本の衆議院でさえ8%くらいですし、この6%がすべて当選するわけではありません。まだまだ女性の政治参加は後れを取っているトルコです。


トルコでは今政権を握っているのはAKP(公正党)という新イスラム派の党です。それに次ぐ野党はCHP(共和国人民党)という、トルコ建国の父アタテュルクが作った党です。建国はもう90年も前のことですから、この党の歴史は古く、当時は知識層の党でした。その他トルコ民族主義のMHP,トルコに一千万人以上いるクルド人の党BDPなどがあります。


今回は、昨年の反政府デモから続いているアンチAKPの動きが活発でしたので、野党CHPの一騎打ちと見られていましたが、結果は前回とほぼ同じでした……。しかし開票時にAKPがいかさまを行ったとして、CHPが選挙結果に抗議している地区がかなりあり、事態は泥沼化しています。夜中に猫が変電所に侵入して停電になったとかで……。


それはさておき、今回は女性の活躍についてお伝えしたいと思います。
180万人でトルコ第8位の人口を持つガズィアンテップ県の県庁所在地ガズィアンテップ市は、トルコ南東部に位置する古代からある都市で、料理がおいしく最近は工業都市に成長しています。そこに初の女性市長が誕生しました。AKPで女性と家庭問題担当大臣だった、ファトマ・シャーヒン氏です。1966年生まれだから私とあまり年齢も変わらないのに大臣にまでなっていて、たいした出世振りです。ファトマ氏はガズィアンテップ生まれですが、イスタンブル工科大学の化学エンジニア科卒の才女で、今回は54.59%の高得票で見事当選。化粧っ毛のない、ガリ勉タイプ。


これに対して、髪を赤く染めてモダンな印象の弁護士オズレム・チェルチオウル氏は、43.8 %の票を獲得し、CHPからエーゲ海岸のアイドゥン市の市長に再当選です。まだ46歳ですが、国会議員の経験もあります。エーゲ海岸は人口400万人のイズミル市をはじめとして、昔からCHPが強い地域ですが、このあたりはオスマン時代にギリシャ系住民が多かった地域で、共和国建国後はバルカン半島からの引き揚げ者が住み始めたところです。アイドゥン県は女性が畑に出て、男性はコーヒー店でたむろってゲームしていることで有名な県です。いつだったか、昼間はコーヒー店開店禁止令が出たことがあったと思います。オズレム氏は控えめな化粧がいかにもインテリっぽい雰囲気をかもし出しています。


クルド人が多い南東部でも、まるで別の国のようにクルド色が濃いのがディヤルバクル県ですが、その県庁所在地ディヤルバクル市には、親クルド党のBDPの副党首だった52歳のギュルタン・クシャナック氏が54.58%で初当選。同じ南東部の町なのに、ガズィアンテップと違ってクルド色が濃いのは、テロ組織クルド労働党PKKのリーダー、オジャランの出身地だからでしょうか。ギュルタン氏は学生のころからクルド運動に参加して、刑務所暮らしの経験がある筋金入りの運動家です。今回は国会議員を辞しての立候補で見事当選。化粧っ毛がないのはガズィアンテップのファトマ氏と同じなのですが、連合赤軍みたいな闘士っぽさが漂っています。


この3者をそれぞれ一言で言い表すと、AKPは地味なガリ勉、CHPはお金持ち知識人、BDPは現場たたき上げド根性、という感じでしょうか。クラスの中でも決して合い交わることがない派閥グループのリーダーのようですね。
私のような風来坊は、このトルコの地でもそうですが、無所属でやっていきます。

Loading...

安達智英子(あだち・ちえこ)

多摩美術大学 インテリアデザイン科卒。
トルコ留学後、トルコ民家の研究に携わる。現在は翻訳、通訳、取材コーディネート業の傍ら、トルコで折り紙の普及に努めている。
翻訳書:ノーベル賞作家オルハン・パムク著「新しい人生」(藤原書店)
    レハー・ギュナイ著「サフランボルの民家」(YEM 出版)
    トルコ語への翻訳では丸木俊の「ひろしまのピカ」(İleri Yayın)
著 作:「世界遺産サフランボル・民家とくらし」(自費出版)
共 著:「タビトモ会話トルコ語」(JTB パブリッシング)
挿 絵:「ゼロから話せるトルコ語」(三修社)

ブログ:masalgibi.blog.fc2.com
WEB :www.torukosoudan.com

RANKING人気記事

Follow me!

  • Twitter
  • Facebook
  • instagram

TOP