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益々太りゆく冬である

アンティル2018.01.16

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益々太りゆく冬である。体重計は乗りたくもなければ、見たくもない。せっせとジムに通っても、炭水化物を抜いても、痩せて1キロ、そのくらいなら欲望のままに生きたいと思い直して数年。「更年期状態で代謝が悪い身体を減量するのは本当に大変である。」などど体験談を綴る俳優を見ながら、自分への言い訳を肯定する毎日を過ごしている。たぶん、現在は過去最高の体重を記録しているはずだ。

ある日、ヒートテックを欠かせない寒さの中で、その異変に気が付いた。
いつもお腹が冷たくなっている。ヒートテック(上半身の)で包まれた腕や胸や背中は暖かい。腹だけ冷たいのはなぜだ?!

自分を観測する。するとヒートテックはいつも私のお腹の上、くびれがあった場所までいつもめくれていた。ちゃんとおしり方向まで引っ張らなかったからかなぁ。とか、動いているうちに上がってしまったのかなぁ。と、思っていたがその現象は毎日続いている。

肌に密着するように作られたヒートテックは、出ているお腹の上をツルン滑り、重力を越え、まくり上げてしまうのだ。これまでも太っていたが、あるレベルに行くとこんな現象が起こる。そんなことをこの冬知った。今日もお腹が冷たい。

自分の大きさというものをあなたは把握しているでしょうか?私はしていません。

最近よくお尻が人とぶつかる。スーパーなどで商品を見ている人をよけ、する抜けようとすると、お尻がその人にぶつかり「すみません」なんてことがしょっちゅうある。

脂肪はある程度まで厚くなると、感覚が鈍るのだろうか。私は今、自分の幅を的確に把握できず、お尻がひっかからない自分の幅を、元あった“普通の太り気味”の頃の“厚み”までだと認識しているようだ。しかもぶつかってもなんだか、自分の皮膚のように思えない。肌感覚が鈍い。

狭い通路のこだわりの北欧雑貨店などに行くと、商品をなぎ倒して前に進むことになる。ぶつかった衝撃も感じないから、進んだ道に商品が落ちている。まるでゴジラみたい。なんて雑貨店に似合わない人間だろう私は。ちょっと嫌になる。猫は、自分が通れる道幅を髭で感知しているという。私も髭がほしい

前にもこのコラムで書いたが、太ると他にも身体がいろんな反応を見せる。
座っている時に、人は太ももあたりで手の甲を上にしてのせるものだが、太っていると、自然にその手がひっくり返り、手のひらが上になる。ふとももの上でなく、段々腹となったお腹の上に手の置き場が出現し、そこが手の安らぎスポットになる。そんな風に、日常生活において色んな変化が現れる。それが肥満。

階段で3Fに上がるのも苦痛になってきた今、私は健康のために痩せることを決意した。来週からオリーヴで3ヶ月集中プログラムを組んでもらうことになった。3ヶ月というのは、やると決めたら徹底的に、極端から極端に走る性格の私にはちょうどいい期間だ。持久的にものごとを続けるのが苦手で、短期集中で結果が出るのがうれしい。

話しは変わるが、私が一番嫌いな、そしてもっとも尊敬する言葉は“こつこつ”。
こつこつと何かを積み上げていく人は心底すごいと思う。

先日も、“こつこつ”とお金を貯めて、家族で九州旅行に行くという友人の話を聞いた。夫のお金は期待できず、友人(妻)のパート代をこつこつ貯めてようやく行く旅行らしい。息子たちや夫にはそれほど感謝されないと愚痴を言いながら、3年かけてようやく資金を貯められたと喜んでいた。友人と別れた帰り道、私は知らないうちに鼻歌を歌っていた。

♪年金積み立て こつこつ

昔よく流れていたCMだ。けして馬鹿にしているわけではない。こつこつ貯めた友人はすごいと思っていたが、喜んでいる友人の前で、感謝もしない夫や息子をイメージすると、なおさら“こつこつ”が身に染み、口を出たらしい。

さらに話しは変わるが、私は無計画に食べるのは好きだが、無計画な人が苦手だ。例えば航空会社のマイル。

パートナーと2人で貯めたマイルをシェアして、年に数回旅行に行くのを楽しみにしているのだが、パートナーがあまりに無計画でマイルを使う。年間に溜まるマイルというのは、マイル歴15年の私はしっかりと把握できている。
次に行きたい街も決め、その旅に使うマイル数も、シーズンごとに頭に入れ、ANAとJALそれぞれをどのタイミングで使うか、シュミレーションできている。しかし!だ。その計画を乱すのだ。やむにやまれぬ状態ならば、まだ諦めもつく。そうではないのだ。

「マイル貯まってるからちょっと贅沢にプレミアムエコノミーにしちゃった。」
「マイルがあったから札幌まで行ってくる。」

私の計画は台無しだ。そしてその補填をすることができないのが、JALとANAのマイル。航空会社によってはマイルを買い、増やすこともできるのだが、日本の航空会社はそうはいかない。ANAだけつかってもだめ、両方をバランスよく使い、その中でより多くの、時には遠くへ行く。そうしないと無駄になる。パートナーめ!私がこつこつ貯めたマイルを・・・・

人というのは矛盾した生き物だ。こつこつが嫌いな私も、意外にこつこつ生きている。計画的に生きるのが苦手なくせに、計画的なことを好む。

何を書きたいのかわからなくなってきたが、とにかく私は痩せようと思う。
そしてお腹の冷えない、自分の大きさを把握できる身体になるべくオリーヴで、いろんな施術に挑もう。そんな体験記もいずれこのコラムで書ければと思っている。

今年もよろしくお願いいたします。

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アンティル

アンティル(あんてぃる)

ラブローター命のFTM。
数年前「性同一性障害」のことを新聞で読み、「私って、コレかも」と思い、新聞を手に埼玉医大に行くが、「ジェンダー」も「FTM」という言葉も知らず、医者に「もっと勉強してきなさい」と追い返される。「自分のことなのに・・・どうして勉強しなくちゃいけないの?」とモヤモヤした気持ちを抱えながら、FTMのことを勉強。 二丁目は大好きだったが、「女らしくない」自分の居場所はレズビアン仲間たちの中にもないように感じていた。「性同一性障害」と自認し、子宮摘出手術&ホルモン治療を受ける。
エッセーは「これって本当にあったこと?」 とよく聞かれますが、全て・・・実話です!。2005年~ぶんか社の「本当にあった笑える話 ピンキー」で、マンガ家坂井恵理さんがマンガ化! 

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